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仕事を覚えるのが遅くて、メモも追いつかない。そんな自分に落ち込んでいませんか。先輩の説明は一度きりで、聞き返すのも気まずい。手は動かしているのに頭に残らない。私もずっと、そんな焦りを抱えていました。
でも、覚えが悪いのは「能力」のせいだけではありません。覚え方の手順が、自分に合っていないだけのことも多いんです。今日は、丸暗記に頼らず仕事を効率よく覚えるコツを、いろんな人に聞いてまとめてみました。
一度で完璧にしようとせず、構造でつかむ。そんな働き方に変えていくヒントを、一緒に探していきましょう。
相談タイム
今日もまた、先輩から教わった作業でミスをしてしまいました。メモは取っていたのに、いざ自分でやると手が止まる。手取り20万のOL生活、もう3年目なのに情けないです。
モヤ子「もう本当にダメかも。同じことを何回も聞いちゃって、先輩に呆れられてる気がする」
あいちゃん「えー待って、それ呆れてないよ。3年目で『ちゃんと確認する人』って超えらくない?適当に進めて事故る人のほうがヤバいって」
モヤ子「でも、同期はもうサクサク仕事こなしてて。私だけ覚えが悪いんだよね」
あいちゃん「比べる相手まちがってるって。モヤ子は丁寧なんだよ、それ才能じゃん。そうそうそう、丁寧な人って信用されるからさ」
あいちゃんはいつも、私の落ち込みを別の言葉に変換してくれます。少し気持ちがゆるみました。でも、根本の「覚えられない」は解決していません。
そこへ、大阪出身のオカンが口を挟んできました。愛はあるけれど、容赦はない人です。
オカン「あんたなぁ、覚えられへんのは当たり前やで。一回見ただけで全部できたら、誰も苦労せえへんわ」
モヤ子「でも、先輩は一回で覚えてた風だったよ」
オカン「そら先輩は何百回もやってるからや。あんたが今ヘタなんは、まだ回数が足りてへんだけ。才能ちゃう、回数や。知らんけど」
「回数」という言葉が、妙に刺さりました。私はずっと、一度で覚えられない自分を責めていたのです。
そんなとき、IT企業に勤めるロジカル先輩が、コーヒー片手にやってきました。いつも物事を仕組みで整理してくれる人です。
ロジカル先輩「覚えられないって悩み、データで見るとすごく多いんだよ。問題は記憶力じゃなくて、覚え方の構造にあることがほとんどなんだ」
モヤ子「構造、ですか」
ロジカル先輩「そう。やみくもに暗記しようとすると、脳がパンクする。だから今日は、仕組みで覚える方法を一緒に整理しよう」
仕事を効率よく覚えるための解決策
ロジカル先輩は、覚えられない原因を4つの視点から分解してくれました。どれも、感覚ではなく仕組みで解決する方法です。順番に見ていきましょう。
丸暗記をやめて全体像と流れでつかむ
ロジカル先輩「まず大前提だけど、仕事を丸暗記しようとするのは効率が悪いんだ。手順を1個ずつバラバラに覚えてないかな」
モヤ子「あ、まさにそれです。『次はこれ、その次はこれ』って一個ずつ覚えようとしてました」
ロジカル先輩「それだと、1つ抜けた瞬間に全部止まる。構造的に弱いんだよ」
先輩いわく、仕事はまず「全体像」と「流れ」でつかむのが先だそうです。つまり、細部より先に地図を持つということ。
ロジカル先輩「たとえば請求書の処理なら、『受け取る→確認する→入力する→承認に回す』っていう大きな流れがあるよね。この4段階をまず覚える」
モヤ子「細かい操作より、流れが先なんですね」
ロジカル先輩「そう。流れが頭にあれば、細部を忘れても『今は確認の段階だ』ってわかる。迷子にならないんだ」
大きな流れを最初に押さえる。すると、一つひとつの作業が「全体のどこか」として記憶に残りやすくなります。
オカン「これ料理と一緒やで。レシピ丸暗記やのうて、『切る・炒める・味つける』の順番がわかってたら、多少アレンジしても失敗せえへん」
たしかに、と思いました。私は地図を持たずに、いきなり細い道を覚えようとしていたのです。だから一本道を外れると、すぐに迷っていました。
ロジカル先輩「仕事を教わったら、最初に『これって全体ではどの工程ですか』って聞くといい。流れの中の位置づけがわかると、記憶の定着が一気に上がる」
モヤ子「今までは、言われた手順をそのまま暗記してました。だから1つ忘れると、次に何をすればいいか真っ白になって」
ロジカル先輩「それが丸暗記の弱点なんだ。点で覚えると、点が抜けたら線がつながらない。でも流れで覚えると、抜けても前後から推測できる」
先輩は、紙に大きな矢印を書いて見せてくれました。工程と工程を矢印でつなぐと、仕事が一本の道に見えてきます。
ロジカル先輩「この矢印の図を、教わったその日に自分で書いてみる。書けたら理解できてる証拠。書けない部分は、まだわかってない部分なんだ」
モヤ子「自分で図にすると、わからないところがあぶり出されるんですね」
ロジカル先輩「そう。理解の穴が見える。その穴だけを質問すれば、効率もいい」
つまり、全体像をつかむことは、覚える作業であると同時に、わからない箇所を見つける作業でもあるのです。地図を描けば、迷っている場所もはっきりします。
ちなみに、勉強が頭に入らないと悩んでいたときも似た話を聞きました。気になる方は勉強が頭に入らない原因と解決策、あいちゃんに聞いたら全部解決したもあわせてどうぞ。
メモは清書せず後で検索できる形に残す
次に、メモの話になりました。私はメモが追いつかず、いつも焦っていたからです。
モヤ子「メモを取るのに必死で、先輩の話を聞き逃しちゃうんです。あとで読み返しても意味不明だし」
ロジカル先輩「それ、きれいに書こうとしてるからだよ。メモは清書しなくていい。むしろ、その場で整える時間がもったいない」
モヤ子「えっ、きれいに書かなくていいんですか」
ロジカル先輩「うん。大事なのは『後で検索できるか』だけ。きれいさはどうでもいい」
先輩のおすすめは、紙ではなくスマホやPCのメモアプリでした。理由は、あとからキーワードで検索できるからです。
ロジカル先輩「紙のメモは見返すのが大変だろう。でもデジタルなら『請求書』って打てば、関連メモが一発で出る。これが効率の差になる」
モヤ子「たしかに、紙のメモは何冊もあって、どこに書いたか忘れます」
ロジカル先輩「だから、その場では走り書きでいい。要点だけ箇条書きで残して、検索用のキーワードを必ず1個入れておく」
たとえば「請求書 締切 25日 経理に提出」のように、検索の入口になる単語を混ぜておくのです。あとで「請求書」と打てば、必要なメモにたどり着けます。
あいちゃん「それいいじゃん。きれいに書かなきゃって思ってると、メモ自体がストレスになるもんね。よくない?走り書きでOKってだけで楽」
ロジカル先輩「あと、写真も最強のメモだよ。先輩が画面で操作してたら、許可を取ってスクショ。手順を文字に起こす手間がゼロになる」
モヤ子「画像も検索の材料になるんですね」
ロジカル先輩「そう。アプリによっては画像内の文字も検索できる。とにかく『後で見つけられる形』に残す。これが構造的なメモ術なんだ」
モヤ子「でも、走り書きだと後で読めなくなりませんか」
ロジカル先輩「だから検索キーワードを入れるんだよ。読めなくても、キーワードで引っかかれば思い出せる。記憶のフックを残すイメージだ」
先輩は、メモを「あとで自分が探す前提」で書くことが大事だと言います。今の自分ではなく、1週間後に困っている自分へのメッセージなのです。
ロジカル先輩「1週間後の自分は、今日の細かい操作を絶対に忘れてる。その自分が『請求書』って打って、すぐ見つけられるか。それだけ考えればいい」
モヤ子「未来の自分のためのメモ、ですか」
ロジカル先輩「そう。だからその場でキレイにする必要はない。未来の自分が見つけて、読めればそれで十分なんだ」
この発想に変えてから、メモのプレッシャーが消えました。完璧な記録ではなく、未来の自分への目印。それなら、追いつかなくても怖くありません。
清書をやめた瞬間、メモは「記録」から「検索できる資産」に変わります。追いつかなくていい。あとで探せればいいのです。
分からない前提で質問テンプレを用意する
3つ目は、質問のしかたでした。私は「また聞くの?」と思われるのが怖くて、質問をためらいがちです。
モヤ子「でも、同じことを聞くのが申し訳なくて。質問するのも勇気がいるんです」
ロジカル先輩「その遠慮、実は効率を下げてるんだ。わからないまま進めると、あとで大きなミスになる。質問はコストじゃなくて投資だよ」
先輩は「質問テンプレ」を用意することを勧めてくれました。毎回ゼロから聞くから、まとまらず気まずくなるのだそうです。
ロジカル先輩「『現状』『やったこと』『詰まった点』の3つをセットで聞く。これだけで質問の質が変わる」
モヤ子「具体的には、どう言えばいいですか」
ロジカル先輩「たとえば『請求書を入力中です。承認まで進めましたが、却下されたときの対応がわかりません』。これなら相手も即答できる」
ぼんやり「わかりません」と聞くのではなく、状況を構造化して渡す。すると先輩も答えやすく、自分も整理できます。
オカン「あんたなぁ、『すいません、わかりません』だけやと、相手も何がわからんのかわからへん。そら二度手間や」
モヤ子「たしかに、漠然と聞いてました」
オカン「最初から『ここまでやって、ここで詰まった』言うたら、向こうも一発で答えられる。テンプレ持っとくのは賢いで。知らんけど」
そして先輩は、もう一つ大事なことを教えてくれました。質問は「分からない前提」で準備しておくこと、です。
ロジカル先輩「人は最初、わからなくて当然。だから教わる前に『たぶんここでつまずく』って予想して、聞くことをメモしておく」
分からない自分を責めるのではなく、分からない前提で備える。これだけで、質問へのハードルがぐっと下がります。
あいちゃん「それいいね。『聞いちゃダメ』じゃなくて『聞く準備をしておく』って考えると、気持ちが前向きになるもん」
ロジカル先輩「そうそう。質問を恥ずかしいものにしてるのは、自分の思い込みなんだ。準備された質問は、むしろ仕事ができる人の証拠だよ」
さらに先輩は、質問するタイミングもまとめると良いと教えてくれました。思いついた瞬間に毎回聞くと、相手の集中を細切れに奪ってしまうからです。
ロジカル先輩「小さな疑問はメモにためておいて、区切りのいいタイミングでまとめて聞く。お互いの時間を守れる」
モヤ子「質問をためて、まとめて聞くんですね」
ロジカル先輩「そう。緊急じゃないなら、それでいい。テンプレに沿ってまとめて聞けば、5分で何個も解決する」
質問は、ためて、構造化して、まとめて渡す。この3つを意識するだけで、聞くことへの罪悪感がずいぶん軽くなりました。
質問が怖いという気持ち自体に悩む方は、職場の先輩が怖くて質問もできない…先輩恐怖症を克服する方法も読んでみてください。
反復のタイミングを翌日と週末に固定化する
最後は、覚えたことを定着させる「反復」の話でした。ここが、私にいちばん欠けていた部分です。
ロジカル先輩「人間の脳は、一度で覚えられないようにできてる。だから反復が必要なんだけど、ポイントはタイミングなんだ」
モヤ子「ただ繰り返せばいいわけじゃないんですか」
ロジカル先輩「闇雲な反復は非効率だよ。記憶は時間とともに薄れる。だから『忘れかけたタイミング』で復習するのが、いちばん定着する」
先輩が勧めるのは、反復のタイミングを「翌日」と「週末」に固定することでした。スケジュールに組み込んでしまうのです。
ロジカル先輩「教わった翌日に、メモを3分だけ見返す。これで一気に忘れにくくなる。そして週末に、その週の分をまとめて軽くおさらいする」
モヤ子「翌日と週末、2回だけでいいんですね」
ロジカル先輩「そう。毎日やる必要はない。タイミングを固定するから、習慣になって続くんだ」
記憶の定着には、適切な間隔をあけて思い出す「分散学習」が有効だと、研究でも示されています。働きながらスキルを身につける学び直しの大切さは、厚生労働省の人材開発に関する案内でも取り上げられています。社会全体でも、学び続ける力が重視されているのです。
あいちゃん「翌日に3分だけならできそう。完璧に復習しよう、とか思うと続かないもんね。3分なら『まぁいいか』でやれる」
ロジカル先輩「そのゆるさが大事。反復は質より頻度。短くていいから、決めた日に必ずやる。それを構造的に仕組み化するんだ」
社会人の勉強時間の作り方も、ロジカル先輩に以前まとめてもらいました。時間がないと感じる方は社会人の勉強時間の作り方、ロジカル先輩に聞いたら月60時間作れたを参考にしてみてください。
モヤ子「翌日と週末って決めると、いつやるか迷わなくて済みますね」
ロジカル先輩「そこが狙いなんだ。『いつやろう』って考える時間が、いちばん続かない原因。だから先に時間を決めて固定する」
先輩は、復習を朝の出社直後など、毎日必ず訪れる瞬間に紐づけると続きやすいと言います。歯磨きのように、行動とセットにするのです。
ロジカル先輩「『コーヒーを淹れたら、昨日のメモを開く』みたいに、既にある習慣にくっつける。新しい習慣はゼロから作るより、既存の習慣に乗せたほうが続く」
モヤ子「たしかに、朝のコーヒーは絶対飲むので、忘れなさそうです」
ロジカル先輩「だろう。意志に頼らず、仕組みで続ける。これが構造的な反復のコツだよ」
そして、一度で覚えられなくていい、というのが先輩の一貫した考えでした。リカバリーの仕組みさえあれば、忘れても取り戻せるからです。
ロジカル先輩「忘れることを前提に設計する。これが社会人の覚え方の基本だよ。学生のテストとは違うんだ」
忘れる前提で、取り戻す仕組みを持つ。そう考えたら、覚えられない自分への焦りが、ふっと軽くなりました。
翌日と週末。たった2回でも、固定すれば確実に積み上がります。一度で覚えようとせず、リカバリーを前提に設計する。それが、覚えが悪い自分を救う考え方でした。
まとめ
仕事を効率よく覚えるコツは、根性ではなく「仕組み」でした。一度で完璧にしようとするから、苦しくなるのです。
まず、丸暗記をやめて全体像と流れでつかむ。地図を持てば、細部を忘れても迷いません。
次に、メモは清書せず、後で検索できる形に残す。追いつかなくていい、あとで探せればいいのです。
そして、分からない前提で質問テンプレを用意する。状況を構造化して渡せば、質問は怖くなくなります。
最後に、反復のタイミングを翌日と週末に固定する。短くてもいいから、決めた日に必ず思い出す。
ロジカル先輩「覚えが悪いんじゃない。覚え方の構造が、まだ整ってなかっただけだよ」
モヤ子「そう言ってもらえると、少し前を向けます」
あいちゃん「だよね。仕組みさえ変えれば、モヤ子はちゃんと伸びるって。そうそうそう、もう才能の問題じゃないんだから」
オカン「あとは回数や。今日教わったことを、明日3分見返す。それだけでええ。気楽にいき。知らんけど」
一度で覚えられない自分を、もう責めなくて大丈夫です。リカバリーを前提に、仕組みで覚えていきましょう。仕事のミスが怖くて萎縮してしまうときは、仕事のミスが怖くて萎縮してしまう…あいちゃんに話したら気持ちが楽になったも心を軽くしてくれます。
覚えることに頭がいっぱいで、休日も仕事が頭から離れないなら、休日も仕事のことが頭から離れない…オンオフを切り替えられない人の頭の休め方もどうぞ。焦らず、一歩ずつでいいのです。
よくある質問
メモを取っても結局忘れてしまいます。どうすればいいですか
メモを「書いて終わり」にしているのが原因かもしれません。大事なのは、教わった翌日に3分だけ見返すことです。記憶は忘れかけたタイミングで思い出すと定着します。だから翌日と週末の2回、見返すタイミングを固定しましょう。きれいに清書する必要はありません。検索できる形で残し、決めた日に短く見返す。これだけで、忘れにくさが大きく変わります。
同じことを何度も質問するのが申し訳ないです
質問は迷惑ではなく、ミスを防ぐ投資です。ただし聞き方を工夫しましょう。『現状』『やったこと』『詰まった点』の3つをセットにして伝えると、相手も即答でき、二度手間が減ります。漠然と「わかりません」と聞くより、状況を構造化して渡すほうが、結果的に相手の手間も減るのです。分からない前提で、聞くことを事前にメモしておくと、質問へのハードルも下がります。
覚えが悪いのは能力が低いからではないでしょうか
覚えが悪いと感じる多くは、能力ではなく覚え方の手順の問題です。丸暗記でバラバラに覚えようとすると、脳に負担がかかり定着しません。まず全体像と流れをつかみ、メモは検索できる形で残し、反復のタイミングを固定する。この仕組みに変えるだけで、定着率は大きく上がります。先輩が早く覚えて見えるのも、才能ではなく回数を重ねているからです。焦らず仕組みを整えていきましょう。