目次
友達いない週末は、思ったより長い。
土曜日の午後2時。窓の外には青空が広がっているのに、私はソファでスマホを見てうだうだしていました。インスタを開けば、大学時代の友達が旅行に行っている写真が流れてくる。別の子はホームパーティーらしい。私のタイムラインは、自分以外のみんなが楽しそうに見えて、なんともいえない気持ちになります。
私、モヤ子(28歳・OL)は最近、ふとした瞬間に「大人になって友達いないのって、おかしいのかな」って考えてしまいます。学生時代はグループがあって、卒業後しばらくも集まっていたけれど、みんなが転職したり結婚したりするうちに、気づいたら自分の周りには誰もいなくなっていた。連絡をくれる人はいるにはいるけれど、正直それは数えるほど。しょっちゅう会える友達というのは、今の私にはいないんですよね。
「でも別に、一人の時間が嫌いなわけじゃないんだけどな」って思うんです。一人でカフェに行っても平気だし、休日を一人で過ごすことに慣れているし。でもそれがまた「おかしい」気がしてしまう。一人が平気な人間ってなんか問題があるみたいで、「社会性がない」「コミュ力が低い」みたいなレッテルを自分に貼ってしまう。
実際、友人がいないと感じている社会人って、どのくらいいるんでしょう?ある調査によると、「友人がいない」と回答した有職者は全体の30%。30代に絞ると36%にまで上がるそうです。「親友がいない」となると53%と、半数を超えます。大人になって友達いないのって、実はかなり普通のことなんです。でも、そのデータを知っていても、なんかモヤモヤが消えないんですよね。
そんなある日、近所の古い喫茶店に入ったら、カウンターに一人でコーヒーを飲んでいるおじさまがいて。なぜかその人に話しかけられて、気づいたら「友達いない問題」を相談していたんです。後から聞いたら、その方、常連のテキトー紳士さんといって、ここで毎日コーヒーを飲みながら人生を謳歌しているんだとか。
喫茶店のテキトー紳士に「友達いない問題」を相談してみた
モヤ子:「あのー、変なこと聞くんですけど……大人になって友達いないのって、おかしいことだと思いますか?」
テキトー紳士:「ははは、おかしい? ぜんっぜんおかしくないよ。むしろ、友達多い大人の方が珍しいんじゃないかねえ。」
モヤ子:「そうなんですかね……でも、周りみんな友達グループとかあって、わいわいしてるじゃないですか。私、最近誰にも会ってなくて。」
テキトー紳士:「周りって、インスタとかでしょ? あんなの、楽しい瞬間だけ切り貼りしてるんだから。実際はみんな似たようなもんだって。コーヒー飲む?」
モヤ子:「あ、いただきます……。でも、なんか大人になって友達いないのはおかしいんじゃないかって、ずっと引っかかってて。」
テキトー紳士:「引っかかる、ねえ。その『おかしい』ってのは、誰かに言われたの?」
モヤ子:「言われたわけじゃないですけど……なんか、そういう空気感っていうか。友達いない大人は欠落してる、みたいな感じがして。」
テキトー紳士:「空気感(笑)。それ、誰が作ったんだろうねえ。わたしゃ60年生きてるけど、友達の数で人を測るような人間には会ったことないけどなあ。」
モヤ子:「そう言われると、確かに……誰かに直接言われたわけじゃないですよね。なんか自分の中で勝手に決めてる感じかも。」
テキトー紳士:「そうそう。まあ、人間なんて大人になるほど友達は減るもんだよ。仕事変わって、住む場所変わって、家族ができて。そうやってみんなバラバラになってくのが普通なんだ。それをおかしいって言い始めたら、大人の9割はおかしいことになっちゃうよ。」
モヤ子:「9割……それはさすがに言い過ぎかもしれないですけど(笑)。でも、なんか将来が不安で。友達いないと老後も孤独なのかなとか。」
テキトー紳士:「老後ね。そりゃあ先の話だなあ。でも友達多い人が老後も賑やかか、って言ったらそうとも限らないしねえ。人間関係なんて、その時々で変わっていくもんだよ。今友達がいなくても、5年後にふとしたきっかけで繋がる人もいるし。適当にやってるうちに、なんとかなるもんだよ。」
モヤ子:「そっか……今の状態がずっと続くわけじゃないですよね。」
テキトー紳士:「続かないよ。人生ってのは、ずいぶん適当にできてるんだよね。あなた、今は一人でいることが多いって言ってたけど、一人でいるのは嫌いなの?」
モヤ子:「嫌いじゃないんです。むしろ……一人の時間、結構好きで。でも好きなのに、なんかそれが恥ずかしいっていうか。」
テキトー紳士:「あら、それいいじゃないの。一人の時間が好きって、素敵なことだよ。わたしだって毎日ここで一人でコーヒー飲んでるけど、これが一番落ち着くんだ。誰かといると疲れるんだよ、気を遣って。」
モヤ子:「わかります、それ。友達グループの飲み会とか、正直消耗するんですよね。楽しいのかどうかよくわかんないまま帰ってきたりして。」
テキトー紳士:「でしょ。無理して合わせる関係より、一人でのんびりしてた方が人生豊かだったりするよ。そんなに友達を数で持とうとしなくていいんだよ。適当でいいんだよ。」
モヤ子:「適当で……(笑)。なんか紳士さん、すごい楽観的ですよね。」
テキトー紳士:「楽観的っていうか、現実的なんだよね。大人になって友達がいないのはおかしいどころか、普通のことで。大事なのは、一人の時間を嫌いにならないこと。一人でいることを『寂しい』と捉えるか、『自由だ』と捉えるか、それだけの違いなんだよ。」
モヤ子:「一人でいることを、自由と捉える……」
テキトー紳士:「そう。今日だって、あなたはこの喫茶店に一人で来たわけだよね。それって、自分の気分で動けたからでしょ。友達とだったら、場所も時間も合わせなきゃいけなかった。一人って、好きな時間に好きな場所に行けるんだよ。それって相当贅沢なことだと思うけどね。」
関連記事:友達と疎遠になるのがしんどい!気持ちを整理してまた仲良くなる方法もあわせて読んでみてください。
関連記事:突然LINEブロックされた時の理由と立ち直り方もあわせて読んでみてください。
モヤ子:「確かに……今日ここ来たのも、気分でふらっと入ってきたし。」
テキトー紳士:「そうでしょ。で、今こうやってわたしとおしゃべりしてるわけだ。これも友達じゃないけど、悪くない時間でしょ(笑)。」
モヤ子:「(笑)確かに、全然悪くないです。」
テキトー紳士:「友達いなくても、こういう偶然の出会いってあるんだよね。それも人間関係といえば人間関係だし。あんまり『友達』の定義を狭くしすぎないことだよ。」
モヤ子:「友達の定義を狭くしすぎない……。私、友達ってしょっちゅう会ってわいわいする人、みたいに思ってたかも。」
テキトー紳士:「そんな人、滅多にいないよ(笑)。年に1回でも連絡が来る人がいれば、それは友達だし、今日みたいに喫茶店でちょっと話した人も、広い意味では友達みたいなもんだよ。人間関係ってのは、もっとゆるくていいんだよ。」
モヤ子:「ゆるくていい……。なんかそれ聞いて、すごく楽になってきました。」
テキトー紳士:「でしょ。難しく考えすぎだよ、若い人はさ。友達いないのはおかしい、なんて思い込んでるだけで、実際はそんなこと誰も気にしてないよ。みんな自分のことで精一杯なんだから。」
モヤ子:「確かに……私も他人の友達の数なんて気にしてないし。自分のことだけ気にしてたんですね。」
テキトー紳士:「そういうこと。あとね、こんなデータがあってね、友人がいないと感じてる社会人って、実は30%もいるんだよ。30代になると36%だって。知ってた?」
モヤ子:「それ、私も見たことあります! 親友がいないとなると53%って。」
テキトー紳士:「そうそう。つまりね、あなたが思ってるほど『友達いない大人』って珍しくないわけ。むしろ多数派に近い。それで『おかしい』なんて言い始めたら、日本人の3分の1はおかしいことになっちゃうよ(笑)。」
モヤ子:「そう言われると、なんか急に悩みが小さく見えてきた(笑)。大人になって友達いないのはおかしいんじゃないかって、あんなに引っかかってたのに。」
テキトー紳士:「そういうもんだよ。コーヒーが冷めちゃうよ、飲みな飲みな。悩むのは冷めてからにしなさい(笑)。」
モヤ子:「(笑)ありがとうございます。なんかすっきりしました。」
大人で友達いないのはおかしい?一人時間を豊かにするための4つのヒント
テキトー紳士のゆるい言葉に触れて、「大人になって友達いないのはおかしい」という思い込みを、少し緩める気持ちになってきました。ここからは、一人でいる時間をもっと豊かにするための4つのヒントをまとめてみます。
「友達」の定義をゆるめてみよう
「友達」という言葉に、どんなイメージを持っていますか? もしかして「週に何度も会う」「何でも話せる」「いつでも呼べる」みたいなハードルを設定していませんか? それだと、大人になってから友達を持つのはかなり難しくなってしまいます。
大人になって友達いないのはおかしいと悩んでいるとき、多くの場合は「友達の定義が厳しすぎる」ことが原因だったりします。年に1〜2回しか会わなくても、久しぶりに連絡して返事が来る人がいれば、それは立派な友達です。SNSで「いいね」し合うだけの繋がりでも、それはそれで現代の人間関係のひとつです。
テキトー紳士が言っていた「もっとゆるくていいんだよ」という言葉が、なんか刺さりました。学生時代のように毎週集まってわいわいするのが「友達」の標準形だと思い込んでいると、大人の人間関係ってどうしても物足りなく見えてしまう。でも、大人の友達関係は質や深さの話で、頻度の話じゃないんですよね。
「友達がいない」と感じているとき、実は「頻繁に会う人がいない」だけで、繋がれる人は数人いる、というケースがほとんどです。LINEを返してくれる人、久しぶりに会ったときに話が弾む人、そういう人たちをちゃんと「友達」と認めてあげることが、まず第一歩です。
また、テキトー紳士との喫茶店でのおしゃべりのように、偶然の出会いや緩い縁も大切にしてみると、人生の彩りが増えます。「この人は友達じゃないか」と切り捨てる前に、「こういう繋がりも悪くない」と思えるようになると、人間関係の豊かさが全然変わってきます。定義を広げるだけで、「友達いない大人」が「ゆるい縁をたくさん持つ大人」に変わっていくんです。
「孤独」と「一人でいること」を区別しよう
「一人でいる=孤独」という等式は、必ずしも正しくないんですよね。
孤独というのは、「誰かと繋がりたいのに繋がれない」感覚です。一方、「一人でいること」は、ただのライフスタイルの選択でしかない。一人でいることが好きで、一人でいても満たされているなら、それは孤独じゃない。でも私、ずっとその二つを混同していたんですよね。
大人になって友達いないのはおかしいと感じるとき、多くは「一人でいること」を「孤独である証拠」として解釈してしまっています。でも実際には、友達が多くても孤独を感じている人はいるし、友達がほとんどいなくても全然孤独を感じていない人もいる。孤独かどうかは、友達の数ではなく、自分の心の状態で決まるんです。
「自分は今、一人でいることが快適なのか、それとも誰かと繋がりたいのか」をちゃんと自分に聞いてみることが大事です。快適なら、それは孤独じゃない。繋がりたいなら、その気持ちを大切にして、ゆるく動いてみればいい。
一人でいることを「寂しいことだ」と思い込んでいると、何をしていても「こんなに一人でいるのはおかしい」という目線が自分の中に残ってしまいます。でも、「一人でいることは自由の形だ」と捉え直すと、同じ週末でも全然違う景色に見えてきます。テキトー紳士が「自由だ、と捉えるかどうかの違いだよ」と言っていたのは、まさにこのことだと思いました。
「ゆるくつながれる場所」を一つだけ持ってみよう
「友達を作らなきゃ」と意気込むのではなく、「ゆるくつながれる場所」を一つ持っておく、という発想の転換がおすすめです。
社会人になってから友達を作るのは確かに難しいです。でも、「友達になろう!」という目標を立てるから重くなるのであって、「この場所には気が向いたら行く」くらいのゆるい姿勢なら、意外と続けられます。たとえば、趣味のワークショップ、読書会、料理教室の単発レッスン、地域の清掃ボランティアなど。一人で参加できて、毎回来なくていいような場所が理想です。
大人の人間関係って、毎週会う義務があるグループよりも、「気が向いたら顔を出す」くらいの緩さの方が長続きすることが多いんですよね。毎週絶対来なきゃいけない、みたいな縛りがあると、いつか億劫になって疎遠になってしまう。でも「行けるときに行く」くらいなら、何年でも続けられます。
そこでゆっくり顔を合わせるうちに、自然と話すようになる人が現れることもあります。それが「友達」になるかどうかはわからないけれど、「知ってる人」が増えるだけでも、日常の安心感が変わってきます。
大人になって友達いないのはおかしいと感じているなら、まず「友達ゼロ」を脱することを目指すのではなく、「ゆるくつながれる場所を一つだけ持つ」ことから始めてみてください。それだけで、人間関係への焦りが不思議と落ち着いてきます。テキトー紳士のいう「適当でいいんだよ」は、人間関係においても有効な言葉だと思います。
SNSの「リア充投稿」と自分を比べるのをやめてみよう
大人になって友達いないのはおかしいのかなという不安を、じわじわ強くしている最大の要因のひとつが、SNSです。
インスタを開けば「みんな楽しそう」。でも、SNSに投稿されるのは「映える瞬間」だけです。誰かとランチに行った日は投稿するけれど、一人でダラダラしていた日曜日は投稿しない。だから、SNSを見ればみるほど「みんな充実してて自分だけ孤独だ」という錯覚が強まっていくんですよね。
実際には、あなたのフォロワーの中にも、今日一人で過ごした人はたくさんいます。投稿しないだけで。大人になって友達いないのはおかしいと感じるのは、比べる相手が「SNSの切り貼りされた楽しい瞬間」だから余計しんどくなるんです。
対策は、シンプルに「見る時間を決めること」です。朝起きてすぐ開かない、夜寝る前に開かない、それだけでかなり違います。また、見るたびにネガティブな気持ちになるアカウントは、フォロー解除かミュートでOK。自分が前向きになれるアカウントだけを残すように整理していくと、SNSとの付き合い方がずいぶん楽になります。
スマホを置いて、今日の自分の時間を見てみてください。誰かと比べないで、今日の自分だけを評価してみると、意外と「悪くない一日だったな」と思えることがあります。大人になって友達いないのはおかしいんじゃないかという気持ちは、多くの場合SNSが増幅させているので、そこを断ち切るだけでずいぶん楽になりますよ。
他にもモヤモヤ解決ラボの記事を書いています。ぜひほかの記事もチェックしてみてくださいね。
モヤ子の気づき(番外編)
テキトー紳士との喫茶店での会話を思い返すと、結局のところ「大人になって友達いないのはおかしい」という不安は、自分が勝手に作り出したものだったんだな、と気づきます。
誰かに言われたわけでも、実際に笑われたわけでもない。ただ、「友達が多い人間の方が充実している」という思い込みを、いつの間にか自分の中に取り込んでいた。その思い込みが、一人でいる時間を全部「孤独の証拠」に変えてしまっていたんですよね。
データを見れば、社会人の30%が友人いないと感じています。30代では36%。これって相当な数じゃないですか。大人になって友達いないのはおかしい、なんて言ったら、日本中の3人に1人はおかしいことになってしまう。テキトー紳士が「日本人の3分の1はおかしいことになっちゃう」と笑っていたのが、ものすごく的を射た言葉だと後から思いました。
大切なのは、友達の数じゃなくて、一人でいる時間を自分なりに楽しめるかどうか。そして、「ゆるくつながれる場所」を少しだけ持っておくこと。それで十分なんじゃないかな、と今は思えています。
あなたも、「大人になって友達いないのはおかしい」という感覚に悩んでいるなら、まずその「おかしい」という感覚を疑ってみてほしいです。それは本当に自分が感じていること?それとも、誰かに(あるいはSNSに)植え付けられた価値観?ちょっと立ち止まって考えてみると、意外とすっきりするかもしれません。
大人になって友達いないのはおかしいんじゃないかって悩んでいた頃の自分に、テキトー紳士の言葉を届けてあげたい。「適当でいいんだよ」って。
まとめ
大人になって友達いないのはおかしい? テキトー紳士の答えはシンプルです。「ぜんっぜんおかしくないよ」。
社会人の30%が友人なしと感じている現実を見ても、大人になって友達が減るのはごく自然なことです。環境が変わり、ライフスタイルが変われば、人間関係の形も変わっていく。それを責める必要は全くありません。
大事なのは、「友達がいないこと」に罪悪感を持つのをやめること。一人でいることを自由として楽しめるかどうか。そして、友達の定義をゆるめて、ゆるい縁も大切にしてみること。
友達の数が少なくても、自分にとって心地よい人間関係の形があれば、それで十分です。大人の人間関係は、学生時代のそれとは違う形でいい。量より質、義理より心地よさ。それが大人の友達付き合いのコツだと、テキトー紳士との時間が教えてくれた気がします。
難しく考えすぎず、適当でいいんだよ。そのテキトー紳士の言葉が、今もじわっと心に残っています。大人になって友達いないのはおかしいと不安になったら、そっと思い出してみてください。